ケーススタディで学ぶ認知行動療法!

はじめに

Rena
こんにちは、Renaです。
認知行動療法の簡易版について、店長のMilkがいくつか記事にしています。

→ 心の整理整頓術。認知行動療法の仕組身を理解しよう(基礎編)

→ 認知行動療法を実際に試してみよう(実践編)

今回はより理解を深めるため、簡易認知行動療法をあるケースを例に学びます。

登場人物

ケーススタディを一緒に進めていくのは次の2人です。

田中さん
私、相談者の田中と女医の先生です。
先生

私が質問をしながらスタディを進めます。
よろしくお願いします。

ケース

田中さんはある商社に勤めて3年目のサラリーマンです。

○月1日(月)、田中さんは会社でミスを犯してしまいました。
それは見積書の個数の欄で、本来「100個」と入力すべきところを「1000個」としてしまったという、簡単ながら重大なミスでした。

これに対して上司は大激怒。
ほかの社員のいる前で「お前は本当に無能だな!!」とまで言われてしまいました。

認知行動療法

それではこの出来事について、田中さんの立場に立って簡易認知行動療法を適用してみましょう。
簡易認知行動療法の手順は以下の通りです。
今回もこの手順に沿って進めていきます。

状況

先生

いつ、どこで、誰と一緒だった時、どんな出来事が起きて、どんな会話をしたか……など、
出来事が起きたときの状況を詳しく教えてください。

田中さん

はい。
○月1日(月)、会社で見積書を作成していて簡単な入力ミスをしてしまいました。
そのときは上司や同僚と一緒でした。
上司からは「お前は本当に無能だな!」と言われました。

気分

先生

その時の気分を簡単に一言で表してください。
またその気分がどれくらいの程度であったか、全く感じないを0%、過去最高を100%として、%で教えてください。

田中さん
みじめさが80%、困惑が50%くらいです。

自動思考

先生

出来事が起きたときに自然と考えたことを教えてください。

田中さん

「同僚やほかの社員から無能と噂されたらどうしよう」
「今後の昇進に響いたら困る」
ですかね…。

先生

今おっしゃっていただいたことを認知行動療法では「自動思考」と言います。
それでは前のステップで挙げた【気分】と【自動思考】とを結んで文章を作ってみましょう。
こんな感じです。
「私が【気分】と感じたのは【自動思考】と考えたからだ。」

田中さん

「私が【みじめ】と感じたのは【周囲から無能と噂されたらどうしよう】と考えたからだ」
「私が【困惑】したのは【昇進に響いたら困る】と考えたからだ」
こんな感じですかね。

根拠

先生

今度は自動思考を裏付ける根拠を探します。
このとき、勝手な思い込みや人の心を読むような勝手な解釈はNGですよ。
あくまで事実を探してください。

田中さん
えーっと……、
「無能と噂されたらどうしよう」についての根拠は
「あまりに簡単なミスをしてしまったから」「上司が無能と言ったから」です。
「昇進に響いたら困る」については「上司が定期的に個人の業績を記録して昇進の参考にしているから」です。

反証

先生

それでは先ほどの自動思考を否定するような事実を考えてみてください。
たとえば、同僚の方が実際に噂をしているのを耳にしたことがありますか?

田中さん
いえ、それはないです。
先生

では、「実際にほかの社員が田中さんのことを無能だと噂しているのを聞いたことはない」というのが反証になります。
他に何か思いつくことはありませんか?

田中さん
「昇進に響いたら困る」という自動思考を否定する事実ですが、
「実際に自分は降格にはなっていない」
「たった1つのミスが原因で、これまで出世の道が閉ざされた前例を聞いたことはない」
があります。
先生

いいですね!
実は認知行動療法の肝はこの反証にあります
ここで、ほかの人の立場に立った考え方、客観的な視点をどんどん挙げてみましょう。

田中さん
はい!
「周囲に無能だと噂されたらどうしよう」ですが、ほかにも上司から「無能だ!」と怒られた社員は居て、上司の口癖が「無能」ということがあります。
それに同期は常日頃、私のことを「頼りになる存在だ」と言ってくれています。

適応思考

先生

それでは「根拠」と「反証」をつないでみてください。
こんな感じです。
「【根拠】である。しかし【反証】である。」

田中さん
「【簡単なミスをしてしまった。】しかし【周囲が実際に私を無能だと噂しているのは聞いたことはない】」
「【上司から無能だと言われた】しかし【上司は何かあるとすぐ「無能」というのが口癖だ】」
「【上司が仕事ぶりを評価して昇進の参考にしている】しかし【たった1つのミスで出世の道が閉ざされた人はいない】」
ですね!

心の変化

先生

今のお気持ちはいかがですか?

田中さん
落ち着いてきました。
噂を聞いたことが無いのに勝手な憶測で心配していたり、上司の言葉にナーバスになっていたりしたんだなと思いました。
先生

それではまた、今の気分を%で表してもらえますか。

田中さん
みじめさが50%、困惑は20%くらいです。
はじめより減りました!
先生

それはよかったです!
ただ、認知行動療法は気分を落ち着けることも大事ですが、別の視点から物事が見られるようになることがとても大切です。
なので、気分にあまり変化がなかったとしても落ち込む必要はありませんよ。

田中さん
なるほど!
……先生、ほかに少し心配な点がありまして。
何でもすぐ「無能」と言う上司に対する怒りが20%くらい出てきてしまったのですが……。
先生

その変化も悪いことと思う必要はありませんよ。
ただ、その気持ちを抱えることで田中さん自身が生きづらさを感じるようならば、この「怒り20%」をはじめの【気分】のところに設定して、もう一度認知行動療法のサイクルをたどってみるといいかもしれませんね。

田中さん
そうですね!今度は1人で実践してみます。

まとめ

Rena
田中さん、認知行動療法のコツがつかめてきたみたいですね!

今回は田中さんのミスを例に認知行動療法の仕方をご紹介しました。

一人で行う場合は、先生がしたような問いかけをご自分でして考えてみてください。

テンプレートも作成しました。

→ 簡易認知行動療法テンプレート

分かりづらい点・ご意見はご連絡いただければコラムやTwitterなどで出来る範囲で回答いたします。
(私は臨床心理士ではないのでご期待に沿えない場合もあるかもしれませんが、一緒に勉強できればと思います。)

Rena
それでは、あなたの健康と明日のお天気をお祈りして。

6 thoughts on “ケーススタディで学ぶ認知行動療法!

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